神戸大学 大学院理学研究科 物理学専攻 粒子物理学研究室

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研究内容

スーパーカミオカンデによる宇宙・素粒子物理学の研究

スーパーカミオカンデ(SK)は、岐阜県飛騨市の東京大学宇宙線研究所附属神岡宇宙素粒子研究施設の地下1000mの実験サイトに設置されている、宇宙と素粒子の 研究を行うための水チェレンコフ型観測装置です。検出器は50000トンの純水と約11000本の直径50cmの光電子増倍管で構成されています。地下に設置された水チェレンコフ検出器としては世界最大です。主な観測対象は、天体ニュートリノ(大気、太陽、超新星爆発、等)、人工ニュートリノ(T2K実験、後述)、核子崩壊の探索です。
スーパーカミオカンデ実験は、約230名の国際共同研究グループで研究を進めています。1996年の観測開始から現在まで、検出器の改修時期を除いて、24時間365日休むことなく観測を継続しています。

sk本研究室では、SK検出器を用いた低エネルギーニュートリノの研究、過去の超新星爆発時に放出されたニュートリノを高い感度で探索することを目指すSK-Gdプロジェクトの研究開発(EGADS)、将来的に26万トンの純水を用いて統計精度を飛躍的に高める事を目指すハイパーカミオカンデ(HK)実験の建設・研究開発を特に推進しています。

スーパーカミオカンデ検出器

スーパーカミオカンデ検出器は、円筒型のステンレス製です。外部から飛来する荷電粒子を識別するため、検出器内部は、「内水槽」と「外水槽」の二層構造になっています。外水槽の高さは41.4m、直径は39.3mであり、内部に約5万トンのガドリニウム(Gd)を溶かし込んだ純水を保持しています。内水槽の内側の容積は3.2万トンであり、内水槽内側の壁面には、直径50cm (20-inch)の光電子増倍管PMT)が約11000本個配置されています。PMTは光を電気信号に変換する一般的な装置ですが、本研究で使われている20-inch PMTは、世界最大の大きさで、本研究の前身の「カミオカンデ実験」のために開発されたものです。内水槽で発生した光をなるべく多く捕えるため、内水槽壁面の面積の約40%が20-inch PMTで覆われています。

検出原理

荷電粒子のエネルギーが高く、高速で飛来する時、媒質中の光速を超えている際に、「チェレンコフ光」と呼ばれる光が、荷電粒子の進行方向前方に円錐状に放出されます。SK検出器では、この微弱なチェレンコフ光を検出器内面に配置したPMTで検出します。チェレンコフ光の発生時刻・光量・パターンから、荷電粒子の発生時刻・エネルギー・飛来方向、を測定することが出来ます。

ニュートリノ自身は電荷を持たないので、飛来するニュートリノがチェレンコフ光を発生することはありませんが、飛来したニュートリノがSK検出器の内水槽の純水と反応した際に高速の荷電粒子が生じることがあります。それらの荷電粒子により発生した光を捕えることにより、飛来したニュートリノの性質の研究を行います。

メンバー

教員

  • 竹内 康雄
  • 鈴木 州
 

大学院生

  • 高木 優祐
  • 鐘 海文
 

論文

リンク

プロジェクト

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