神戸大学 大学院理学研究科 物理学専攻 粒子物理学研究室

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原子炉からの反電子ニュートリノを用いたニュートリノ振動の研究

DOUBLE CHOOZ原子炉ニュートリノ振動実験 (Double Chooz)では、3種類のニュートリノの混合角のうち、最後まで未測定であった混合角θ13を直接測定するために、フランスのChooz原子力発電所から大量に飛んでくる反電子ニュートリノを、その敷地内の地下に設置した検出器(原子炉から400m:前置検出器と1050m:後置検出器の2カ所)で観測します。反電子ニュートリノ反応を検出する測定器は、Gd(ガドリニウム)を含む液体シンチレータとそれを取り囲む大口径の光電子増倍管です。後置測定器の建設は2008年夏から始まり、2010年12月に完成し、測定を開始しました。

2011年11月には混合角θ13の最初の測定結果を公表しました。その値は、sin213 = 0.086±0.041(stat.)±0.030(syst.)であり、T2K実験と矛盾しない結果となりました。この結果は、原子炉ニュートリノ実験では初めての有限観測値でした。現在、統計精度を上げるためにデータ収集を行っています。

Double Chooz実験

日本グループとしては主として光電子増倍管の設置およびデータ取得の開発と物理解析を行いました。本研究室では新潟大学と協力して、液体シンチレータ内で起こる反応で、バックグラウンドとなる外部から進入した高速中性子由来の信号と、ニュートリノ反応による信号を、その波形から弁別する方法の開発を行いました。また、2011年4月からは神戸大学とフランスの実験装置をインターネットで繋ぎ、神戸大学からも実験装置の調査監視と、データ取得のリモートコントロール行っています。 現在、前置検出器を製作中で、2013年度末には完成予定です。

Double Chooz検出器の内部

メンバー

教員

  • 原 俊雄
 

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